ジャムの法則

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2023年5月号

今日は「ジャムの法則」と呼ばれている心理法則についてお話しします。

子どもに何かを選ばせなければならないことがあります。その際に、どんな工夫をしてあげると子どもが選びやすくなるでしょうか。

ジャムの試食販売コーナーの実験

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が、スーパーマーケットでジャムの試食販売に関する実験を行ないました。実験は次のような手順で行なわれました。

  1. 試食用ジャムを6種類にしたコーナーと、24種類にしたコーナーに分ける。
  2. 試食後にどれだけのお客さんがジャムを購入したか数え、コーナーごとの試食後購入率を求める。
  3. 両コーナーの購入率を比較する。

結果は以下の通りです。

  • 6種類だったコーナーの試食後購入率:30%
  • 24種類だったコーナーの試食後購入率:3%

一見、選択肢が多い方が選びやすいのかと思いがちですが、結果はまったく逆。実に10倍もの差がついてしまいました。ここからアイエンガー教授は、選択肢が多いほどかえって人は選べなくなってしまうという心理法則を発見しました。これは「決定回避の法則」、通称「ジャムの法則」と呼ばれています。

とにかく選択肢は多くない方が選びやすいわけですが、だからといってまったく選択肢を与えず、「これを選びなさい」と押しつけるのも逆効果だということが分かっています。この場合も選択することそのものを回避してしまうのです。ですから、少なくとも二者択一にしなければなりません。

アイエンガー教授は「マジックナンバー7」という考えも打ち出しました。選択しやすい選択肢は7±1個だというのです。ただしこれはジャムの試食販売に関する話で、他の商品やサービスになるとふさわしい選択肢の数は変わるようです。カツ丼だと松竹梅の3種類がふさわしいかもしれませんね。私個人の感覚で言っても、3±1個だと選びやすいなと思います。

子育て・教育への応用

ジャムの法則は子育てや教育・指導にも応用することができます。お子さんのために何かするよう提案する場合に使えるのです。3個程度の案を示して、それをお子さん自身に選んでもらいましょう。

その際、それぞれの案を採用した場合のメリットとデメリットも示したり、自身で考えさせたりしておくと、やがて自分一人でいろいろな選択肢を比較しながら選ぶ力を身につけさせることができます。

お子さん自身が迷っている場合

では、やりたいことやしなければならないことがたくさんあって、お子さん自身が迷っている場合はどう援助してあげればいいでしょうか。

子どもが迷っていると、ついつい「もうこれにしちゃいなさい。それが一番いいんだから!」と押しつけたくなることがあります。しかし、そんなことをしていると子どもはいつまでたっても「自分で考えて決断する力」を身につけることができません。仕事でも結婚でも遊びでも、他の人が代わりに考えて選んであげないと何も決められない、優柔不断で依存的な大人になってしまう恐れがあります。そんなことになっては大変ですよね?

 ですから、極力自分で選ばせることが大切です。具体的には、

  1. たくさんの選択肢の中から、まず直感でいいので3~4個に絞ってもらいます。
  2. 次に、それぞれのメリット・デメリットを書き出してもらいます。
  3. それから1個を選ばせます。

先ず隗より始めよ

子どもが何かを選択できるよう上手に導くためには、まず私たち自身が選択する力を養う必要があります。あなたは選択する力、身についていますか? 不安な方は、今回のお話を参考に。

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