目標を達成するためのテクニック

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2013年10月号

今年度が始まって半年が過ぎました。あなたやお子さんが年度初めに計画なさった目標は、どれくらい達成されましたか? 目標は立てっぱなしでは意味がありません。このあたりで達成度をチェックしてみて、次の半年間どのような行動をしていけばいいかを再検討してみましょう。今回は、それに役立つ方法を紹介します。

行動目標

良い目標は、具体的な行動の目標です。

「算数をがんばる」「真剣な授業態度を身につける」「友だちに優しくする」というような抽象的な目標では、達成されたかどうか評価できません。がんばっているかどうか、そういう態度を身につけたかどうか、本当に優しいかどうか、評価する人によって、また評価者のその時の気分によって、判断が変わってしまうからです。

しかし、「介護福祉士の資格を取る」「次の漢字のテストで90点を取る」のように、具体的な行動目標であれば客観的に評価できますし、それを達成するために何をしたらいいかを考える材料にもなります。

学習やスポーツの指導の際、ただ「がんばれ」「しっかりやれ」と叱咤激励するだけでなく、何をどうするか、端的に具体的に教えなければならないと言われているのもそのためです。

数値目標

具体的な目標を立てるコツは、数値化できるものは数値化してしまうということです。

たとえばダイエットしたいという願いを持ったとします。その願いを達成するために目標を掲げますが、単に「もっとやせる」では不明確です。何キロ減量したら「やせた」と言えるのか客観的に評価できませんし、いつまでに達成するのかも分かりませんし、目標達成のために何をしたらいいかを考えることもできません。

一方、「1年で体重を7キロ落とす」のように、数値化されている目標であれば明確です。達成されたかどうかはっきりしていますし、まだ達成されていないとしてもどれくらいの進度なのかがよく分かりますね。また、同じ1年でも、7キロ落とすのと21キロ落とすのとではダイエットの方法も変わってくるはずです。目標は可能ならば数値化した方が良いのです。

数値化しにくい目標を数値化するテクニック

ただ、中にはなかなか数値化しにくい目標もあります(「親子関係を良くする」など)。そして、具体化・数値化することが大事だと言われても、どんなふうにしたらいいか、よく分からないという方もおいででしょう。今回ご紹介する方法は、そういう場合に役立ちます。

数値化の手順

数値化は、以下のような手順で行ないます。

  1. まず、目標を完全に達成している理想状態を思い描いてください。そして、今の状態も思い描いてください。できるだけ生き生きと思い描くと、この後の作業が楽です。
  2. 完全にできた理想状態を100点、全くできていない最悪の状態を0点とすると、今の状態は何点ですか? 感覚的に点数をつけてかまいません。
  3. 今の状態からプラス10点になると、今とどう変わりますか? あなたは今と異なる何をしていますか? プラス10点が大き過ぎるなら、プラス5点やプラス1点でもかまいません。
  4. この「プラス10点の行動」を行なえるようになるために、取り組まなければならないことは何ですか? どうしたら、プラス10点の行動ができるようになりますか?
  5. そのプラス10点になるための取り組みを実践します。
最終目標と現在の状態

ステップ・バイ・ステップ

目標は、一気に達成できればいいですが、大きな目標であればあるほど一気に達成することはできません。すると、そのうちやる気失ってしまいがち。

そこで、目標をいくつかの段階(ステップ、下位目標)に小分けして、一つ一つ達成していくのがおすすめです。達成感を繰り返し味わえるので、やる気も持続します。このステップ作りにも、今回紹介した方法が役立ちます。

お子さんの目標達成を見守るのにぜひご活用ください。そして、ご自分でも使ってみてください。年度末に「こんなことができるようになった!」「こんな良い態度や習慣が身についた!」と、お子さんと一緒に喜ぶことができますように。

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