感情を言語化することでコントロールする

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2011年12月号

10月号11月号に続いて、感情のコントロールについてお話しします。

感情の言語化

が、コントロールの前に、私たちは今自分が感じている気持ちが何なのかということを自覚できていないことが多いのかもしれません。特に、感情的になっているときというのは、グワーっという内側から突き上げてくるような力は感じますが、それがどういう気持ちなのかということについては、整理して話すのが難しいですね。

しかし、家族や友だち(やカウンセラー)に整理されないまま話をしているうちに、だんだん落ち着いてくることがありませんか? 最初は混乱して自分でも訳が分からなかった感情が、話をするうちにだんだん言葉にできるようになっていくからです。自分の気持ちを言葉にできると、その分だけ落ち着いてきますし、コントロールもしやすくなります。

感情を表す言葉

自分の感情がうまく言葉にできないときは、まずは物まねから始めてみましょう。あなたの今の感情を表す言葉は何ですか? 以下の「感情を表す語彙リスト」を参考にして表現してみてください。「カナヅチで殴られた感じ」とか「胸が、ぞうきんを絞るような感じ」というふうに、「~な感じ」という言い方でもいいです。

幸せを表す言葉

うれしい、楽しい、喜ぶ、いい気持ち、気分がいい、満足している、よかった、最高だ、すばらしい、安心できる、暖かい、明るい、感謝したい、期待感、信頼されている、分かってもらえた、満たされた、平穏な、有頂天、幸福感、満足、大喜び、積極的

怒りを表す言葉

怒る、腹が立つ、腹立たしい、頭に来る、歯がゆい、イライラする、むかつく、はらわたが煮えくり返る、堪忍袋の緒が切れる、赦せない、いやだ、口惜しい、憎い、憎らしい、殺したいくらい、嫌い、カチンとくる、カッとなる、投げやりになる、すねる、失望している、不愉快、キレる

悲しみを表す言葉

がっかりする、情けない、やりきれない、気落ちする、肩身が狭い、かわいそう、寂しい、涙が出そう、せつない、悲しい、落胆する、惨めだ、悩んでいる、泣きたい、うら悲しい、失ったものが多い、痛々しい、哀れな、つらい、暗い、胸がつまる、死んでしまいたい、苦しい、見限られている、わびしい、みじめ、悲痛な、やるせない、うちひしがれる、むなしい

恐れを表す言葉

狼狽する、動揺する、後ろめたい、面食らっている、びっくりしている、途方に暮れている、おびえる、心配する、怖い、当惑する、落ち着かない、不安だ、心細い、気になる、ふるえる、したくない、ビクビクする、怖じ気づく、ひるむ、どうしていいのか分からない、目をそらしたくなる、緊張する、おののく、すくむ、びびる、どきどきする、パニックになる、どこかへ逃げたいような気持ち

驚きを表す言葉

唖然、呆然、驚き、仰天、驚嘆、意外、びっくりする、衝撃、当惑する、混乱、驚天動地、あっけにとられる、訳が分からない、話が見えない、何が何だか分からない

嫌悪を表す言葉

嫌悪、退屈、うんざり、罵倒する、嫌い、嫌気、ぞっとする、憎悪、復讐心、生理的に受け付けない、うざい、むかつく、不信感

感情を記録してみる

言葉にできたら、その気持ちをメモに書き出してみましょう。あわせて、そのような気持ちになった状況(出来事)についても書いておくといいでしょう。こうやってメモするだけで、何もしないときよりも落ち着いてくるはずです。

そして、これに慣れてきたら、「他にないかな?」と自分に尋ねてみます。私たちは怒りながら悲しんだり落胆したり恐れたりするなど、複数の感情を同時に抱くことがあります。メインの感情以外の感情が見つかったら、それもメモに書き出します。

さらに慣れてきたら、今度はそれぞれの感情の強さを、パーセンテージ(%)で表してみましょう。その感情が最高潮に強く感じたときを100%、まったく感じないときを0%として、どれくらいの強さかを表すのです。もちろん、正確さは問題ではなく、あなた自身がどう感じるかでかまいません。たとえば、

状況気持ちと強さ
帰宅してすぐ、母に「手を洗って、うがいして」と言われた。悲しみ50%
怒り20%
不安10%

そして、前々回に書かせていただいたように、「どうしてこんなふうに感じたのだろう。どういう考えが浮かんだから、こんなことを感じたのだろう」と考えてみるのです。

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