2011年5月号
「目標を立てずに行動するのは、失敗することを目標にして生きているようなものだ」という言葉を聞いたことがあります。目標やそれに基づいたスケジュールを立てないで行動すると、その場その場、その時々に目に付いたことを行なうことになって、とても無駄が多くなります。そして、あとで「あのときこうしておけば良かった」と後悔することになります。
皆さんは、お子さんに、計画的な人生を送って欲しいと思われますよね? であれば、すでになさっておられると思いますが、保護者の皆さんが計画的な毎日を送って見せてあげてください。子どもは、親の背中を見て育つのですから。
ところで、スケジュールの立て方にも、ちょっとしたコツがあります。何回かに分けてお話ししようと思いますが、今回は「目標の緊急度と重要度」についてです。
目標の緊急度と重要度
以下の表は、私たちの行動を、重要度(やる意味がどれだけあるかどうか)と緊急度(期限がどれだけ迫っているかどうか)で分類したものです。
目標の緊急度と重要度マトリクス
- Aは、今すぐ達成しないと大変なことになることです。締め切り間近の大切な仕事とか宿題とかですね。
- Bは、実行しないと大変なことになりますが、まだ期限まで余裕があるというもの。
- Cは期限が迫っているけれど、それをしなくても別に問題にはならないというもの。
- Dは、それをしなくても問題ないし、期限が迫っているわけでもないというものです。
スケジュールの立て方
さて、一日や一週間のスケジュールを立てるとき、皆さんは、A~Dのどの行動目標でスケジュールを埋めていきますか?
遊びのない人生では息が詰まりますから、CやDの項目も必要です。しかし、自分がやりたいことだけやっていたのでは、結局豊かな人生は送ることができませんから、「重要度」を無視するわけにはいきません。何をしたいかではなく、何をしなければいけないか、それを目標設定やスケジュール作成ではポイントにしなければいけません
では、Aの項目でスケジュールを埋めるのがベストでしょうか? しかし、それだと、常に時間に追われてしまい、くたくたになってしまいます。というのは、最初に計画していなかった緊急事態(Aの出来事)というのが、必ず訪れるものだからです。そんなとき、スケジュールがAばかりで占められていると、削るのは食事や睡眠の時間だけということになってしまい、体や心を壊してしまいます。
理想は、Bの項目(重要だが緊急ではない)でスケジュールを埋めることです。
さらに、「何にでも使える空き時間」をスケジュールの中に入れておくことも大切です。A項目の緊急事態が入ったとき、その穴埋めに使えますし、緊急事態がなければ、遊びや趣味など自由に使えます。
そして、そのような余裕を持った目標・スケジュールを立てるためには、締め切り間近になって慌てないよう、中期・長期の計画が必要になります。これについては、後日お話しさせていただきます。
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