2025年1月号
前回、目標達成についてお話しした際、「達成が困難な高い目標の場合には、下位目標を階段状に構成しましょう」と申し上げました。下位目標の立て方についてもっと知りたいというリクエストをいただきましたので、コツを紹介します。ご自身やお子さんの目標設定にぜひお役立てください。
点数化する
最終目標が完全に達成できた状態(理想状態)を100点とし、まったく達成できていない状態を0点とします。そうすると、今の自分の状態は何点でしょうか? あまり難しく考えず、感覚的に点数を付けてかまいません。
それから、「今の状態からプラス10点」になったと仮定すると、「今はしていないけれど、新たに行動できるようになったこと」があるはずですから、それが何か考えます。そして、その「プラス10点」の行動ができるようになることを、当面の目標(下位目標)にするのです。
プラス10点ではまだ目標が高すぎる場合には、プラス5点やプラス1点でもかまいません。
たとえば
「子どもを指導する際、ガミガミネチネチ叱るのではなく、毅然としているけれど穏やかに、そして短時間で諭せるような親になる」のが理想だとしましょう。そのような状態になった姿をイメージしてください。それが100点の状態です。
逆にまったく達成できていない0点の状態は、子どもを虐待死させたとか、追い込みすぎて子どもを精神的な病にさせてしまったとかですね。
それから、今の状態に点数をつけるとすると、何点になるでしょうか? たとえば50点という点数を付けたとします。では、50点プラス10点で、60点の自分になったら、自分はどうなっているでしょうか? それをイメージします。
そして、今の50点の行動と、10点加わった場合の新たな行動を比較します。どこに違いがあるでしょうか?
- いきなり叱りつけるのではなく、まず子どもからどうしてそういう行動をしたのか、どうしてそういう状況に至ったのか、事情を聞き取るだろう。
- 激昂した状態で子どもと話をしないよう、気持ちを落ち着けてから話し始めるだろう。
- 良くない行動を指摘するだけでなく、これからどのように行動してほしいかを伝えるだろう。
あとは、これらの行動を実践します。例で挙げたように複数の行動が出てきた場合、もし一度に取り組むことが難しければ、簡単そうなものから1つずつチャレンジしましょう。
行動の目標にすること
達成されやすい良い目標は、行動目標です。「優しい親になる」とか「片付け上手になる」とかいった抽象的な目標、態度の目標だと、達成できたかどうか客観的に判断できません。「一日1回子どもをほめる」、「自分の本をすべて本棚に縦置きで収納する」など、行動で表せる目標(可能なら数値で表せる目標)にしましょう。
評価と再設定
目標は立てっぱなしにしてはなりません。折々に自分が立てた目標の達成度合いをチェックしましょう。もし達成できていないなら、その原因を考察します。そして、その原因を取り除くことを下位目標にして取り組みます。
このようにして「ちょっとがんばれば達成できそうな目標」を立てて挑戦し、達成できたら新たに「ちょっとがんばれば達成できそうな目標」を立てていけば、いずれ理想状態に到達します。
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