失敗の原因をどこに求めるかで最後までやりきれるか決まる

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2013年1月号

前回、失敗力についてお話ししましたが、今回もその続きです。

失敗力が豊かだということは、たとえ物事がうまくいかなくても、たとえ何度か失敗したとしても、それでも物事を途中で投げ出さずに最後までやり切る力があるということです。私たちが子どもたちの良いモデルになるために、私たち自身がそういう力を養っていたいものですね。そのためには、どんな点に心を配ればいいでしょうか。

カギは「失敗の原因をどこに求めるか」です。

失敗の原因は?

物事を最後まで投げ出さないで続けていく力がどれくらい備わるかは、物事が思い通りにうまくいかないとき、その原因をどこに求めるかにかかっているようです。すなわち、うまくいかない原因を自分の外側に求めるか、それとも自分の内側に求めるか、ということです。

最後までやり切る人は、失敗の原因を、他の人や状況や運命など自分以外のせいではなく、自分自身の努力や工夫が足りなかったせいだと考える傾向が強いと言われています。

原因を外側に求める人

たとえば、「どうせ不景気だから」「あの人がちゃんと助けてくれなかったから」「あいつがヘマをしたから」「この子が邪魔したから」「親が分からず屋だから」「そういう運命だから」など、物事がうまくいかないのは、他の人や状況や会社や政府や運命や神仏などのせいにするということです。

こういう人は、大きな壁にぶつかったときに、イライラしたり、ふてくされたり、悲しくなったりと、いやな気持ちが心をむしばみがちです。当然、やる気はダウン。

しかも、うまくいかない原因となっている状況や他の人を変えるのは、至難の業です。このことは、これまでの人生の中で、私たちは何度も体験してきたことではないでしょうか。そこで、うまくいかない原因を自分の外に求める人は、壁にぶつかると「自分ではどうすることもできない」とあきらめてしまいがちなのです。

原因を内側に求める人

一方、「今回は努力不足だった」「工夫が今ひとつ足りなかった」「舐めてかかったために、必要な注意を怠った」と、原因を自分の内側に求める人はどうでしょう。そういう人は、たとえ壁にぶつかっても、「自分の努力や心構え次第で、次は必ず何とかなる」と考えて、努力を続けることができます。

あなたはどちらのタイプですか? そして、あなたのお子さんは?

原因を内側に求める人の2タイプ

さて、失敗の原因を自分の内側に求める人について、さらに細かく見ていくと、2つのタイプがあります。それは、

  1. 自分の生まれつきの才能が不足しているせいだと考える人
  2. 自分の努力や工夫が不足していたせいだと考える人

前者のように、自分の生まれつきの能力が不足しているせいだと考える人の多くは、「だから、どうせ自分にはムリなんだ」と自己卑下してしまい、やる気を失いがちです。

これに対し、後者のタイプの人たちは、「確かに能力不足が原因だとしても、それはこれから身につければいい。努力や工夫でカバーすれば何とかなる」と考えて、やる気を維持しやすいようです。

まとめ

要するに、物事がうまくいかないときには、

  • 他人や状況や運命や神仏のせいにするのはやめよう。
  • 自分の生まれつきの才能不足のせいにするのもやめよう。
  • 自分の努力や工夫次第で何とかなると考えよう。

ということです。そして、どんなふうに努力したり工夫したりすればいいかを考えて、またやってみるのです。

もしお子さんが壁にぶつかって落ち込んでいたら、今回のまとめのところを優しく伝えて、「もう一度やってみよう」と、にっこり笑って励まして差し上げてください。

もちろん、4月号でも触れましたが、あなた自身が普段からそれを実践して子どもたちの良いモデルになっておくと、励ましが説得力を増します。

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