記憶力を高める勉強法|「アウトプット」が子どもの学びを変える

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2026年9月号

「何度も教科書を読んでいるのに、テストになると答えられない」……そんなお子さんを見て、「もっとちゃんと覚えなさい」と言いたくなったことはないでしょうか。しかし、もしかすると問題は、努力不足ではなく勉強の方法にあるかもしれません。

今回は、子どもの記憶を定着させるために大切な「アウトプット」についてお話しします。

「読む」だけでは覚えにくい

勉強というと、教科書を読んだり、ノートを何度も見返したりする姿を思い浮かべます。もちろん、それも必要です。ただし、「見る」「読む」「聞く」という勉強だけを繰り返していると、「分かったつもり」になりやすいという問題があります。

教科書を見ながらなら「知っている」と思えても、いざ教科書を閉じて「では説明してください」と言われると、意外と言葉が出てこないものです。

これは大人も同じですね。私も本を読んでいるときには「なるほど、なるほど」と大変よく分かった気になるのですが、翌日誰かに説明しようとすると、「えーっと……何だっけ?」となることがあります。

そこで重要になるのがアウトプットです。

思い出すこと自体が勉強になる

アウトプットとは、頭に入れた情報を外に出すことです。たとえば、「覚えたことを声に出して説明する」「教科書を閉じてノートに書く」「問題を解く」「誰かに教える」などです。

覚えた情報を自分の頭から取り出す練習のことを、心理学では「検索練習」(Retrieval Practice)と呼びます。

研究では、同じ文章を繰り返し読むだけの場合と比べて、一度学んだ内容を思い出す練習をしたほうが、時間がたった後の記憶が残りやすいことが確認されています。これは「テスト効果」とも呼ばれています。

つまり、テストは「どれだけ覚えているかを調べるもの」だけではありません。思い出そうとすること自体が、記憶を強くする勉強になるのです。

家庭では「今日、何を習った?」で十分

だからといって、ご家庭で毎晩テストをする必要はありません。おすすめしたいのは、とても簡単な方法です。お子さんが学校から帰ってきたら、「今日、学校で何を習った?」と尋ねることです。 

そして、お子さんが説明してくれたら、「へえ、それってどういうこと?」「お父さん(お母さん)にも分かるように教えて」と、もう少し話してもらいます。

ここで大切なのは、間違い探しをしないことです。説明の途中で「それ違うでしょう」と訂正ばかりされれば、子どもはすぐに話したくなくなります。まずは、「なるほど」「そんなことを習ったんだね」と聞いてあげましょう。

学校では?

学校で、授業の最後に毎回ミニテストをするのは、テストを受ける子どもたちも、プリントの準備や採点をする先生たちも大変でしょう。授業の最後に、「今日学んだことを、ノートを見ないで三つ書いてみよう」という時間を1~2分設けるだけでも、十分効果的なアウトプットになります。

大げさな方法でなくてもかまいません。「覚えよう」と何度も読むだけではなく、一度閉じて、思い出してみる。この小さな習慣が重要なのです。

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