一年の計はスマート(SMART)に

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2017年1月号

今回は、「SMARTの法則」にのっとった目標についてお話しします。

年始に行なわれた箱根駅伝では、青山学院が3連覇を果たしましたね。元々弱小軍団だった同校陸上競技部をここまで育てたのは原晋監督です。原監督が就任後にまず取り組んだことの一つは、選手一人一人に明確な目標を作らせることだったとか。勉強でもスポーツでも仕事でも、目標を立てることはとても大切です。

皆さんもお子さんたちも、一年の初めということで、「今年の抱負」「今年の目標」をお立てになった方が多いと思います。

ただ、ある調査によると、自分が年始に立てた抱負や目標を年末まで憶えている人は、全体の1割に満たないとか。それではあまり意味がありませんね。そうならないために心がけるべきこととは何でしょうか?

SMARTの法則

良い目標とは、立派な目標、他の人にほめられるような目標、自分でも「いいな」と思えるような目標というより、「SMARTの法則」にのっとった目標です。

S(Specific):具体的か?

具体的であるというのは、「体力をつけるよう努力する」「漢字の勉強をがんばる」「寝坊しないよう気をつける」というような曖昧な表現ではなく、「どんな行動ができるようになるか」「何を手に入れるか」が明確な表現にするということです。

たとえば、「週3回、30分間のウォーキングをする」「漢検6級に合格する」「登校日は朝6時に起床する」「夜9時までに、翌日に必要な持ち物をすべて準備してランドセルやバッグに入れる」などであれば、明確ですね。

M(Measurable):計測可能か?

計測可能というのは、結果が数字で表せるということです。そうすることで、目標が達成できたかできなかったかが、誰の目にも明らかになります。

たとえば「持久力をつける」だけだと、何がどうなったら目標達成できたと言えるのかが分かりません。すると、人によって、あるいはその時の気分によって、評価が変わることになるでしょう。

一方、「ハーフマラソンを2時間半以内に完走する」という目標であれば、達成できたかできなかったかが、誰がどんな気分で評価しても、明確に判断できます。

A(Achievable):現実的か?

現実的というのは、努力すれば達成可能な目標を立てるということです。そうでないと、目標達成の難しさに、途中で嫌になってしまいがちです。

達成が難しい高い目標を立てること自体はかまわないのですが、その場合は「その最終目標に至るために、当面しなければならないことは何だろうか」ということを考えて、ちょっとがんばれば達成可能な下位の目標を設定します。

たとえば、最終的に10キロの減量を目指すとして、「まず1ヶ月で2キロ落とす」という下位目標を立てるなどです。

R(Result-oriented):結果重視になっているか?

結果重視というのは、目標を達成することで得られる結果(成果)が、目標を立てた本人にとって本当に欲しいものだという意味です。目標を立てることそのものが大事なのではなく、最終的に達成する結果こそが大切だからです。

別の言い方をすると、人から押しつけられた目標でなく、自分で「これを手に入れたい」「こうなりたい」と願って立てた目標だということですね。そうでないと、目標達成のために、こつこつ努力し続けることが難しくなります。

T(Time-bound):期限が決められているか?

期限が決められているというのは、いつまでにこの目標を達成するかを明確にしているということです。期限の日付を明言するということですね。

そうでないと、本来やらなければならない行動でも、「今日はやらなくていいや」と例外を設け始め、さらにそれが当たり前になり、結局目標が達成できないということになります。

SMARTの法則にのっとっていますか?

さて、あなたやお子さんの「今年の抱負」「今年の目標」は、SMARTの法則にのっとっているでしょうか。

自分の頭の中で考えているだけだと、それなりに具体的で達成可能だと思っていても、他の人が見ると曖昧で非現実的だということが往々にしてあります。ですから、是非一度、家族でそれぞれの目標を持ち寄って、話し合ってみてください。

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