子どもの発達段階ごとの効果的な関わり方

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2025年7月号

今回は、子どもの発達段階と、それぞれの時期の関わり方についてお話しします。

発達段階ごとの関わり方

0歳~3歳:安心感が心を育む時期

この時期の子どもにとって、最も大切なのは「安心感」と「信頼感」です。

  • たくさん抱きしめ、触れ合いましょう。 肌の触れ合いは、子どもに安心感を与え、親子の絆を深めます。
  • お腹が空いた、眠いなど、子どもが示すサインにはすぐ反応しましょう。そうすることで、「自分は大切にされている」という感覚が育まれます。
  • まだ言葉が分からなくてもたくさん話しかけ、歌を歌ったり絵本を読んであげたりしましょう。
  • 安全な環境で、自由に探索させてあげましょう。好奇心を満たすことで、学ぶ意欲が育まれます。ただし、危険なものには注意が必要です。

幼稚園期(3歳~6歳):社会性と自立が芽生える時期

家庭の外の世界に目を向けて社会性を学んだり、自発性が育ったりしますので、それを応援します。

  • 「自分でやりたい」という気持ちを尊重しましょう。 時間がかかっても、失敗しても、まずはやらせてみることが大切です。「自分でできた」という成功体験が、自己肯定感を育みます。
  • たくさんほめてあげましょう。結果だけでなく、がんばった過程を認めることが重要です。
  • 簡単なルールを伝え、守れたらほめたり感謝したりしましょう。他者との関わりの中で必要なルールを理解する手助けをします。
  • 子どもの話にじっくり耳を傾けましょう。 それにより、子どもは「自分は関心を持たれている」という安心感を得、それに励まされて積極的に外の世界に関わるようになります。

小学校低学年期(6歳~9歳頃):学習と規範意識の基礎作りの時期

小学校に入学し、学習習慣や集団生活のルールを本格的に学び始める時期です。

  • 「勉強は楽しいもの」というポジティブなイメージを伝えましょう。叱るよりも、できたことをほめ、興味を持てるようにサポートすることが大切です。
  • 宿題や学習習慣の確立をサポートしましょう。最初は一緒に取り組んだり、時間を決めたりして、習慣化を促します。
  • 友だちとの関わりを見守り、必要に応じてアドバイスしましょう。トラブルがあったときは、子どもの気持ちに寄り添いながら、どうすれば良かったかを一緒に考えます。
  • 失敗を恐れず、挑戦する気持ちを応援しましょう。失敗は学びのチャンスと捉え、次につなげるように促します。

小学校高学年~中学校期(9歳~15歳頃):自立と自己形成の準備の時期

心と体の成長が著しく、自分自身や将来について考え始める時期です。

  • 口出ししすぎず、見守る姿勢を大切にしましょう。「親離れ」への欲求を理解し、尊重します。
  • 適度な距離感を保ち、子どもの自主性を重んじることが大切ですが、困っているときにはいつでも相談に乗る用意があることも伝えましょう。
  • 対等な立場でコミュニケーションを取りましょう。一方的に指示するのではなく、子どもの意見にも耳を傾け、一緒に考える姿勢を見せます。
  • 思春期特有の反抗を理解し、感情的に対応しないようにしましょう。子どもの気持ちを汲み取り、落ち着いて話し合う時間を持つことが大切です。
  • 多様な経験をさせてあげましょう。勉強だけでなく、部活動や趣味など、様々なことに挑戦する機会を与え、子どもの可能性を広げましょう。

どの時期にも大切なこと

どの発達段階においても共通して言える大切なことがあります。

  • 子どもの話をよく聞くこと。
  • 無条件の愛情を注ぐこと。
  • 子どもの良いところを認め、ほめること。
  • 安心できる家庭環境を提供すること。
  • 大人も完璧ではないことを認め、失敗を認めたり子どもに頼ったりすること。
  • 大人自身の間違いは、素直に認めて謝罪すること。

子育て・教育は、答えのない旅のようなものです。子どもの成長に合わせて、大人もまた成長していくことができます。今回の記事を参考にしながら、子どもとのすばらしい時間を存分に楽しんでくださいね。

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