2016年11月号
声優の春名風花さんが、Twitterでこんなツイートをして注目されています。
風花さんのツイート
2016年10月18日のツイートより。
いじめられる側に原因があるか聞かれたら
完璧な人間はいないので
ある、と答えざるをえません
けれどそれは、いじめる側が原因を相手の中に「見つけた」だけのことだと思います
まずいじめる側に、誰かをいじめたいという目的(結果)があって
その目的に向かって、原因を探し出されたのです少し自分語りをします
ぼくが小学校のときに声優を目指していると言ったら
ある人が「テレビのバラエティにしか出ていないくせに」「声優学校にも行っていないくせに」と言って、ぼくのことを笑いましたそのあと、ぼくは声優学校に通える年齢になったので声優のレッスンに通いはじめました
するとその人は「いくら声優のレッスンだけ受けても、テレビに出ているやつなんかダメだ。本気で声優になりたい人は真剣に舞台で芝居をやっているんだ」と言って、ぼくのことを笑いましたそのあと、ぼくは偶然にも舞台と出会い、すっかり舞台の面白さにハマり、いま舞台のお仕事をしているのですが、
その人は「あいつは落ちぶれてテレビにも出してもらえなくなって、小劇場にしか出られなくなったから、声優になんかなれない。」と言って、やっぱりぼくのことを笑っています(笑)何が言いたいかというと、いじめられる側からいくら「いじめる人に言われる原因」を取り去ったとしても
その人の中にある、他人をいじめたいという「結果」が変わらない限り
人は、永遠にいじめられ続けるのです
これを読めば、変わる必要があるのはいじめられる側ではなく、いじめる側であるということ。
そして、いちいち人の意見に振り回され、他人の望む自分になることのバカバカしさが分かるでしょう。今の自分を変えたいと思う、それはとても素敵なことだよ
誰だって今日より明日の自分がかっこよくなった方が嬉しい…
でもそれは自分自身のためにやってください!
「いじめられない自分」ではなく、「自分がなりたい自分」を目指して
その姿に少しでも近づけるよう、頑張ろうね(´ω`)
恐るべき15歳
風花さんのツイートそのものに対するコメントは、ここでは差し控えます。私が注目したのは、風花さんの年齢。実は彼女、15歳です。
自分が同じ年齢の頃を振り返ってみると、ここまで「自分が言いたいこと」を明確にして、しかもそれを論理的に伝えるような話の仕方ができていただろうかと思わされます。いったい、風花さんは家庭や学校でどんな育てられ方をしてきたのでしょう。
What do you think?
以前、親しくさせてもらっていたアメリカ人夫婦が、子どもたちと接するやり方に、非常に感銘を受けたことがあります。彼らは、何かにつけて「君はどう思うの?」「君はどうしたい?」と、子どもたち(まだ小学生や幼稚園児です)に尋ねていました。
といっても、放任主義で、好きなことをやらせるというのではありません。必ず「それをしたらどうなると思う?」「それをしたら、○○ちゃんはどう感じると思う?」と、結果を想像させることも忘れません、
また、「お父さんは、もしもこういう結果になったら、こういう理由で嫌だな」などと、自分の気持ちを語った後、「その点についてはどんなふうに思う?」と、また子どもの考えを引き出そうとします。
こういうやり方は、「○○しなさい」と命じるより、遠回りで面倒くさく見えます。しかし、子どもたちが自分の頭で考える力、それを相手に分かるように伝える力を育てる方法だと、私は思います。
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