インターネット依存症から子どもたちを守ろう

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2014年7月号

最近、「インターネット依存症」が問題視されています。

インターネットにはまり込んで、イライラしたり、無気力になったり、慢性的な疲労感に悩まされたり、不眠になったり、体調を崩したり、学業・仕事・人間関係に支障が出てしまったりするのが、インターネット依存症です。

増加しているインターネット依存症者

近年、スマートフォンの普及や、LINEやTwitterなどのSNS、YouTubeなどの動画配信サイト、ネットゲームなどネットワークサービスの発達によって、インターネットが非常に身近なものになりました。インターネット、そしてパソコンやスマホは非常に便利な道具です。しかし、お酒やギャンブル同様、はまりすぎれば悪影響を及ぼします。

「週刊朝日」4月25日号の記事によれば、成人でインターネット依存症に陥っている人は推定271万人いるそうです。中高生でも、ネットに依存して日常生活や人間関係に支障を来している子どもたちが51万8千人います。

「うちの子はまだ幼稚園児だから大丈夫」と安心しないでください。ネット依存はどんどん低年齢化しています。そして、年齢が若いほど依存しやすく、依存状態になった場合にも重症化しやすいので、早めに対策を講じておく必要があります。

依存症の特徴の一つは、自分が依存状態にあることを自覚できにくいということです。大切なお子さんが知らぬ間にインターネット依存症になっていないか、次のチェックリストで確認してみてください。そして、お子さんだけでなく、あなた自身もやってみてください。

ネット依存チェックリスト

  • 予定していたより長時間ネットを利用してしまう
  • ネットを利用していない時も、ネットのことを考えてしまう
  • ネットを利用していないと、落ち着かなくなったり、憂うつになったり、落ち込んだり、いらいらしたりする
  • ネットの利用時間を減らそうとしても、失敗してしまう
  • 長時間ネットを利用していないと満足できなくなっている
  • 落ち込んだり不安やストレスを感じたりしたとき、逃避や気晴らしにネットを利用している
  • ネットの利用が原因で、家族や友人との関係が悪化している
  • ネットを利用している時間や熱中している度合いについて、ごまかしたりウソをついたりしたことがある
  • スマホ(ガラケーも。以下同様)を忘れてしまった日は、とても不安になる
  • TPOをわきまえず、無意識にタッチパネルを触っている
  • 「スマホの充電ができるかどうか」「Wi-Fiがあるかどうか」などで、入るお店を決める
  • 財布を忘れていても、スマホだけを持っていることがある
  • 朝、目が覚めて寝転がったまま、ニュースやSNSをチェックする
  • 分からないことは、すぐにスマホで調べる
  • スマホの充電器を忘れたら、つい買ってしまうので、いくつも予備を持っている
  • スマホ画面の見すぎにより、目の下にクマができている
  • 着信していないのに、スマホが振動した錯覚に陥る
  • スマホを握ったまま眠ってしまう
ケイ・オプティコムHPより引用

このリストのうち、5項目以上当てはまったら要注意です。早めに専門家(精神科医、臨床心理士等)の助けを借りる必要があるかもしれません。特に子どもは重症化しやすく、放っておくと社会的引きこもりになったり、家族に対して暴力を振るったりするようになりかねませんから。

我が子をネット依存症者にさせないために

学校でもネットやスマホの利用法や危険性については指導されますが、子どもたちが実際にネットやスマホを利用するのは、ほとんどが学校外です。端末代や通信料を支払うのも、多くは親御さんでしょう。ですから、各家庭での親御さんの取り組みが非常に重要です。取り組みのポイントは、

  • 本当に今必要なのか吟味し、どうしても持たせなければならない積極的な理由がないなら、持たせないこと。
  • ネットやスマホの有用性と危険性(依存症リスクだけでなく、性犯罪に巻き込まれたり、誹謗中傷されたり、個人情報を盗まれたりというようなことも)の両面について、親子で学び、話し合うこと。
  • 毎日の利用時間、利用場所、利用方法など、安全や学業や健康や家族関係等に悪影響を与えないようなルールを決めること。
  • ルールが守れなかったり、ネットやスマホのせいで学業がおろそかになったり、生活リズムが崩れたりした場合には、端末を一定期間取り上げ、さらに違反が続けば解約することを約束させること。もちろん、ルールに違反したらその通りにすること。

なお、ゲームについても同様にルール化することが大切です。

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