嫌な感情を生み出す考えを修正する

スクールソーシャルワーカーだより スクールソーシャルワーカーだより

2024年11月号

前回、嫌な感情は証拠に基づかない考え、合理的ではない考えから生じるというお話をしました。今回は、非合理的な考え方の例と、より合理的な考えへの修正案を紹介します。

自分についての非合理的な考えの例

  1. 私はどんなことがあっても、絶対に成功しなければならない。そうでなければどうしようもない人間だということだ。
  2. 私は、私にとって重要な人々から、絶対に親切にされなければならない。そうでなければ、存在価値のない人間だということだ。
  3. 私は何度も同じ失敗や過ちを犯してはならない。もし、重要なことに失敗すれば、恐ろしいことになってしまうだろう。
  4. 私は他の人に良い印象を持ってもらわないと、幸せになることができない。
  5. 私の幸せは、他の人が私のことをどう考えるかによって左右される。
  6. 私は人に非難されたから、全くダメ人間である。
  7. 私はいつも良い気分でいなければならない。

こうやって文字にして読んでみると、かなり偏った極端な考えだと分かります。しかし、私たちは結構このようなことを頭の奥底で考えています。

そして、こんなことを考えていると、不安、憂鬱、罪責感、絶望などの嫌な感情がわき上がってくることになるのです。

他人や社会についての非合理的な考え方

  1. 人は、どんな状況においても、私を公平に、正当に、親切に、思慮深く扱うべきだ。もしそうでなければ、その人はどうしようもない人間だということであり、罰を受けて苦しむべきだ。
  2. 人は、私の依頼に対して、すぐに、喜んで対応すべきである。
  3. 人は、たとえ私がはっきりと願いを口にしなくても、それを自ら察知し、何を置いてもその願いをかなえるべきである。
  4. 誰も、私に欲求不満を与えてはならない。
  5. 私の人生では、私の望むものが、私が望む時に与えられるはずだ。
  6. 状況は、常に私に有利に働くべきである。
  7. 私の努力は、当然私の思い通りに報いられるはずである。

これまた勝手な決めつけですね。こんなことを考えていると、イライラ、不満、自己憐憫と言った嫌な感情に苦しめられることになります。

合理的な考えでよく使われる言い回しと修正案

非合理な考えの特徴は、①証拠に基づかない決めつけ、②論理の飛躍、③極端、④非建設的で破壊的な結論などです。

そして、非合理的な考えでは、上記のような特徴をよく表した言い回しがよく使われます。それを、より合理的で自分や周りに優しい言い回しに変えてみましょう。

非合理な言い回し合理的な言い回し(修正案)
~すべきである。
~なのが当然だ。
~であるに越したことはない。
~したい。
~であって欲しい。
どうせ~に決まっている。~であるとは限らない。
絶対に~だとは言えない。
AだからBだ。AはBだという確かな証拠にはならない。
AだからといってBだとは言えない。

修正した言い回しを、自分自身に向かって何度も語りかけてみましょう。少しずつ嫌な感情から解放されていきます。私たち大人が嫌な感情に振り回されなくなると、精神的に余裕が生まれますから、お子さんに対しても冷静に、そして温かく接することができるようになるでしょう。

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